ハハはムスメが毎朝電話していることを覚えていなかった
ハハの日曜日のお昼すぎに電話をしたら、来客中だった。茶道教室のお仲間のYさんが訪ねてきてくれていた。私も何度もお会いしたことがあり、看護師さんだったということもあって、チチの在宅介護中には色々とお世話になった方でもある。
ムスメから電話が全然かかって来ないとハハが言っていると聞いて、ああやっぱりなあと思った。自己弁護するつもりではないんですけど毎朝電話してるんですよ、やっぱり覚えいませんでしたか、とムスメは言った。
ハハはムスコから電話がかかって来ないと言っている。もうこればっかりは誰が本当のことを言っているのかお天道様しか知らないのだ。
それでもハハとしては電話をしても通じないムスコと電話をかけて来ないアメリカに行ってしまったムスメに優しくしてもらっていないという気持ちだけが真実になってしまっている。