minnesotakkoの日記

国際遠距離介護の記録

ムスメの一時帰国 15日目 ハハの孤立感

ハハの記憶はどんどん狭まってきている。5年前のチチの死も、20年前の自分の両親の死も覚えていない。葬式に自分が出席したのかも、どこで亡くなったのかも、全てが欠落してしまっている。自分の両親の介護の方針や遺産相続が原因で起こった兄弟との確執は、まだハハの中に残っているのに、事実はすっぽりと抜け落ちている。

 

そこで困るのが、「私そんな話聞いてない」「私その話今初めて聞いた」というものである。

 

忘れちゃうのもしょうがないけどね、と前置きしながら何度も同じことを説明するムスメもクタクタである。が、毎日、今どうなっているか分からず、自分の希望が無視されて物事が進んでいるようにしか見えないハハは、「みんなは私が死ねばいいと思っている」という結論にしか到達できないようだ。

 

過去の栄光や武勇伝を自慢したがる高齢者も多いが、それが出来るだけで幸せなのかもしれない、とムスメは思ったりもする。