ムスメ、ハハに2度目の嘘をつく
ハハは口を開けば、お金のこととムスコの悪口しか言わない。
今朝もお金がないから家で寝てる、もう生きて行かれない、と不機嫌だったので、「お金のことはデイホームの施設長さんによーくお願いしてあるから大丈夫」と嘘をついた。
(まあ、1週間に一度、少額の現金をハハの財布に入れてもらうようにお願いしているのは事実なので、真っ赤な嘘ではないのだけれど。)
ハハとデイホームの施設長さんとは、チチがお世話になる前からの知り合いで、ハハは施設長さんのことを信頼、尊敬しているので、ハハを安心させたくて言ったのだった。
そうなの?と一瞬安心したようだったが、次の瞬間には「そんなこと一言も聞いてない」と怒ってしまった。
この場合、ハハの記憶が珍しく正しいのだが、まあ、全てにおいて短期記憶はないので「そんなこと一言も聞いてない」のである。何があっても忘れてしまうし、忘れてしまっていることを忘れているので、除け者にされているという思いは強い。
「嘘も方便」も通用しないハハなのであった。