minnesotakkoの日記

国際遠距離介護の記録

ハハの本音

台風が心配で電話したが、それほど困っていないようだった。

が、銀行のキャッシュカードが見つからなくて、現金が手元に全くないのだと言う。

冷蔵庫の中の有り合わせで昼食を食べているところだった。

 

いつもの引き出しに銀行通帳やカードがないから、ムスコが勝手に黙って持ち去ったのだろうと怒って電話したら、ムスコは持って帰っていないと言われて、ショックだったらしい。

 

もう頭が全然ダメになっちゃって、どうしたらいいか分からない、と言うので体験入居に気軽な気持ちで行ってきたらいいよ、と言ってみた。ちょっと気弱になっているから話しが通じるかと思ったのだが、甘かった。

行きたくないの一点張りで、ムスコと嫁への悪口が続々と出てきて止まらない。

 

でも、一人で寂しいってよく言ってるじゃない?一日中誰とも口をきかない日もあるって言ってなかったっけ?とムスメが水を向けると思わぬ答えが返ってきた。

 

施設に行けば周囲の人に気を使わなければならないのが嫌だ、ここで一人で気楽に暮らしたい。嫁がご機嫌伺いの電話を一本よこせばすむ話しで、好きな時に寝て、好きな時に好きな物食べて暮らしたい、と言うのだ。

 

ムスメに対する強がりなのかもしれないが、寂しくないのだ。

これはムスコ夫婦に対する当て付けなのだ。

 

同居して義理の両親の介護を一手に負わされた15年は決して消えないのだ。

 

何を言っても無駄だ、とムスメは悟った。

仮にムスコ家族と同居しても、不平不満で溢れかえるに決まっている。全てを犠牲にして義理の両親を公的支援なしで介護した過去は何を以ってしても戻っては来ないからだ。

 

自分の人生を奪われたように、ムスコや嫁の人生を奪いたいのかと言いたいのをグッとこらえたムスメであった。