minnesotakkoの日記

国際遠距離介護の記録

ハハと家族 ムスメの気持ち

ハハはよく「家族なんだから」と言う。

 

ハハがそれをどんな意味で使っているのか確認した事はないが、私には「家族なんだから自分の事は犠牲にしても親に尽くすべき」と解釈していた。

 

「家族なんだから」お嫁さんがもっと家事や介護を手伝うのが当然、お嫁さんが孫を連れて来て当然、ムスコがお嫁さんを長男の嫁として教育して当然、ムスメは結婚して孫を産むのが当然、結婚していないムスメはハハと同居して(介護して)当然、お正月は家族で過ごすのが当然、お彼岸は墓参りに行って当然というメッセージを私は感じていたからだ。

 

この「当然だと思う」には落とし穴がある。ハハには当然の事であっても、他人(それが子供であっても)にとっては当然でないかもしれない、という事である。当然であると思っていれば、それが満たされない場合、がっかりするし、満たしてくれない人への怒りとなる。

 

そして、当然と思われても困るんだよな、というのがムスメとしての本音である。

ハハの期待通りに生きられませんでした。子供も産みませんでした。同居もできません。デキの悪いムスメでごめんなさい。

嫁に行かないムスメ又はムスコ夫婦が同居して面倒みてくれるべきだという期待を諦めてくれませんか。どんなに望んでもそれは手に入らないのです。それは一人娘がピアニストにも医者にも母親にもなれなかったのと同じことです。一人息子が一流大学を卒業して銀行員になれなかったのと同じことです。

 

だからと言ってハハを不幸にしたいのではありません。家族以外の人々の中で、幸せに生きていくことは可能だからです。家族が特別な存在なのは否定しません。けれど、全てを子供に託されても責任を果たせないのが現状です。できる限りのことはするつもりです。でもムスメもヨメも仕事を捨てて介護に専念することはできないのです。

 

ああ、家族って一体何なのだろう。