minnesotakkoの日記

国際遠距離介護の記録

ムスコは邪魔 ハハと旅行

旅行から帰ってきたハハに電話した。

旅行自体は楽しかった、らしい。というのも、どこに泊まったのか何泊したのか覚えていなかったからだ。

相変わらず、ハハを支配しているのは、やはりお金に対する執着とムスコに対する不満だった。夜行バスと電車で行けば安くすむのにムスコが勝手に飛行機を予約した、ムスコは私が一人で旅行できないと見くびっている、挙げ句の果てには、私の友達に会いに行くんだからあの子は邪魔なの!とまで言った。

 

いやいや、貴重な休みの日を返上して旅行に連れて行ってくれたムスコに邪魔者扱いはどうかと思うよ、ちょびっとくらい感謝してもバチは当たらんでしょう、と言いたかったが、やめておいた。

 

もう一人で旅行に行くことはできない。この旅行が最後になるかもしれない。

 この時期を逃さなくてよかった。

ハハの旅行

ハハが旅行に行く。出身地ではないが高校生時代を過ごした島根県に友人に会いに行くのだ。

 

ハハにとって島根は特別な場所で、友人とも頻繁に連絡を取り合っており、同窓会は定期的に行われているし、東京在住組でも定期的に会うほど仲良しなのだ。

まだチチを在宅介護している時でさえ、島根で同窓会があれば、ショートステイを使ってでも参加したかったほど、島根の友人たちへの思いは強かった。

 

それが今回は不機嫌極まりない。友人に会えるのが嬉しいよりも先に、お金がない不安が先に立つようになってしまった。しかも、ムスコが勝手に計画したと思い込んでいる。夜行バスで京都まで行って、そこから電車に乗れば安く行けるのに、勝手に飛行機のチケットを予約された、デイホームの都合も考慮に入れずに勝手に旅行を計画するのは納得がいかない、お金もらってないから旅行前に美容院に行くこともできない、気の利いた東京のお土産すら買えない、私の友人なのにムスコが会いに行くのもおかしいとか、まあ全てが気に入らないのだ。

 

因みにムスコは現金を渡したのだが、それはすでに紛失済みだ。

 

島根の友人はハハのそんな状態を分かってくれて、暖かく迎えてくれる。有難い。不機嫌なのは行く前だけで島根についたら楽しいひと時を味わってもらいたい。

 

盗人だの、優しくないだの非難されても、そうやって旅行に連れ出す弟に頭が下がる。

 

 

ハハと日曜日のヘルパー2

どうやらハハは日曜日に来るのがヘルパーだと認識していないようだった。

デイホームの室長さんが「日曜日一人で心配だから、様子見にちょっと寄りますね」と言ったらしい。さすがプロである。以前ヘルパーが来るのを嫌がっていたり、ヘルパーが来る時間を忘れて外出してしまった事があったからだ。

 

虫が湧いた台所、埃が積もった寝室も気にならないハハがヘルパーの必要性を理解してくれるはずがないので、ムスメとしては大変助かっている。日曜日に一人きりにならないこと、最低限の掃除や洗濯などの家事ができているか確認してもらえるだけでも有難い。

 

だが、日曜日のハハは不機嫌極まりない。

これから人が来るから、掃除も片付けもしないといけないし、お茶菓子くらいは出さないと恥ずかしいから買いに行きたいのにお金が一銭もないし、日曜日くらい気楽に過ごしたいのに人に訪ねて来られるのは迷惑千万まっぴらごめん、だいたい室長さんが私のことボケてると考えているとしか思えない。私は日曜日に様子見てもらいに来てもらうほどボケてません!と高らかに宣言していた。

 

だったら日曜日は一人で寂しいから死にたくなるとか言わないでよ、とムスメは言いたかったがやめておいた。

 

ハハがどんなに迷惑していようと、日曜日のヘルパーは続けようと思う。母がヘルパーが来る前に掃除しようと思うならそれも結構ではないか。

 

ハハの認知症の認知度は案外低い

チチが亡くなり手続きを進めるにあたり、気が付いたことがある。

ハハが認知症だということが認知されないのだ。

 

ムスコやムスメにとっては、ハハの言っていることは滅茶苦茶である。事実とは遠くかけ離れた事を平気で言うからだ。亡くなる1週間前には立って話したと弔問にきてくださった方々に涙ながらに語っているが、これは全くの事実誤認である。

ハハにとっては真実なのだから、訂正はしていないのだが。

 

口が達者なものだから、同じ事を何度も何度も繰り返すのに気づかなければ、認知症だとは分からないものらしい。ハハも家族以外の人の前ではしっかりしなければと思うのだろう。後からハハのいないところで認知症だとは気づきませんでした、と色々な人から言われた。

 

そう言われると複雑な気持ちになる。

 

ケアマネさんはそこを分かってくれている。さすがプロだ。

ハハにまだ出来ることは沢山ある、が出来なくなったことも増えてきている。

今が一番大変な時期かもしれません、と言われた。

 

 

 

 

 

ハハと日曜日のヘルパー

月曜日から土曜日まではデイホームに通うハハは日曜日が苦手だ。朝は起きる理由がないから昼までゴロゴロしているし、一人で家にいて何をしていいか分からないし、出かけたくてもお金がないからパン1つ買えないし(←ムスコがちゃんと生活費を渡しているし、デイホーム日曜日分のパンを買ってくれているのに)、ムスコは優しくしてくれないし、ムスメはアメリカだし、一人で寂しいのだ。

 

日曜日に来てくれるヘルパーをケアマネに探してもらったこともあったけれど、介護保険は目一杯使っているので無理だった。社会福祉協議会の家事ボランティアに来てもらうことも検討したけれど、日曜日に来てくれる人は見つからなかった。

 

しかし、誰かに来てもらわないとハハの心も持ち堪えられないし、台所には虫がわく

 

幸運にも、ハハがお世話になっているデイホームがヘルパー派遣事業を展開している。介護保険外なので全額実費だが、デイホームで顔見知りのヘルパーさんを派遣してもらうことにした。掃除ができているか、洗濯ができているかどうか確認してもらい、ついでに一緒に夕食を買いに行ってもらえれば、こんなに有り難いことはない。

 

日曜日に電話したが、ハハはデイホームから誰かが来ることは覚えていた。それがヘルパーさんだとは分かっていないようで、お茶菓子を買いに行きたいけれどお金が失くなったとパニックになっていた。

ここでもお金のことは問題になるが、誰かが来ることを覚えていただけでも優秀である。過去にはヘルパーが来る時間に出かけてしまったことが何度もあったからだ。

 

何とかこれで日曜日の憂鬱から少しでも解放できればいいのだが。

ハハと四十九日

今日はチチの四十九日と納骨だった。

喪服が見つからないとか、妹が来ないのはけしからんとか、何日も前から大騒ぎだったが無事に終わった。

 

祭壇も撤収されて、ついでに仏壇のロウソクと線香も撤収した。仏様方には申し訳ないが、火事を出したくないので致し方ない。

 

ハハはようやく落ち着いたのだろうか、チチがいなくなって寂しいと初めて口にした。

 

 

ムスメの一時帰国13 ハハの自立

友人の友人でモンテッソーリ教育を認知症の高齢者に取り入れている人に会った。元々は幼児教育が専門だったが、義母の認知症をきっかけに研修を受けたそうだ。

 

モンテッソーリ教育の真髄は「子供の自発性」を重要視することにあり、認知症の高齢者にとっても「自発性」「自立」「をできるだけ尊重することにあるという。

 

ハハがムスコを泥棒呼ばわりするのを毎日聞かされているから、ムスメは疲労困憊、しかも胃腸の調子は絶不調である。当然、心も挫けてくる。

 

ハハは自立なんかしたくないんだよ、ムスメかムスコかおヨメさんが一緒に住んで面倒見てくれることを望んでいるんだよ。誰かが自分の為に全てを犠牲にして尽くしてくれない限り決して満足しないんだよ。

と、叫びたいのを必死で堪えた。