ハハと正月
恐怖の正月がやって来る。
デイホームが5日間休みになる。
ムスコは31日まで仕事、ムスメは航空運賃が高すぎて手が出せない。
おヨメさんは体調が悪い、孫はまだ中学生である。
それでもムスメは考えた。アメリカでクリスマスが終わったら、日本に飛んでハハと一緒にアメリカに戻って来て、しばらくアメリカで暮らしてもらうことを。
13時間のフライト、時差、英語できなくて日本人のいない、雪に閉ざされた町に認知症のハハを連れて来るメリットはあるのか?答えはもちろんノーである。
だらだら書いたが、要するにハハの受け入れ場所ががないのだ。
日曜日を一人で過ごすのがやっとなのに、5日間一人で過ごすことは不可能である。楽しくツアー旅行にでも行ける段階はとっくに過ぎた。
もう、ショートステイしか手がない。
同居してくれないムスコ夫婦とアメリカに行ってしまったムスメは母親を捨てた心冷たい人非人だと嘆いているのに、正月に厄介払いのようにショートステイに行くだなんてハハは激怒するに違いないと思っていた。
しかも、今年は喪中である。ハハとしては家族が寄り添って亡くなったチチのことを偲びたいだろう。
だが、ここでハハ強制入居案再再燃である。
正月をショートステイで過ごすことが決まっているなら、今から入居して少しでも馴染んでおく方が得策ではないのか?いきなり知らない人のなかで正月を過ごすよりはいいのかもしれない。
どちらにしても、ハハの抵抗は強そうだが。