minnesotakkoの日記

国際遠距離介護の記録

ムスコの企み

企みというと聞こえが悪いが、ムスコには考えがあった。

 

①ハハを老人ホームに入居させる

②ハハを自宅の近くに呼び寄せる

 

というものだ。

因みにハハはどちらも断固拒否だそうだ。以前はムスコ夫婦の近くに住みたいとかムスコ夫婦の家に同居したいと言っていたのだが。

 

②の呼び寄せ案にムスメは断固反対した。自宅もデイホームも新しくなるからだ。自宅とデイホームはハハにとって生活の大きな基盤だ。その変化にハハが順応できると思えない。しかも、ムスコは週6日働いている。その上夫婦共働きで、孫は部活動で忙しい。ムスコ夫婦の家のそばに住んでも毎日誰かと会える訳ではないのだ。住みなれた自宅も離れ、気に入っているデイホームも変わり、ハハには何のメリットもない。

 

しかし、ムスコは早朝からのメール攻撃や唯一の休日を実家通いに使うよりは近くに住んでもらった方が楽になるだと言うのだ。

 

それだったら老人ホームに入居した方が良いのではないか。ハハは嫌がっている。が、今なら入居しても新しい暮らしに順応できるのではないか。いつでも誰かがいる。食事のことは心配しなくてもよくて、何らかのアクティビティがある。電子ピアノを持っていけば部屋でピアノも弾けるだろう、などとムスメは考えている。

 

ここで混在してならないのは、ムスメの罪悪感だ。娘として姉として日本を離れる決心をした身として、期待されている役割を果たしていないという罪悪感が絶えずつきまとう。ムスメの罪悪感と当事者であるハハと主たる介護者であるムスコにとって最善な方法は全く別物なのだ。それを認識した上で決断しなければならない。

 

だからと言ってムスメの罪悪感が払拭される訳でもないのだが。