minnesotakkoの日記

国際遠距離介護の記録

ハハ、思い込み(?)が激しくなる

高齢者の年相応の物忘れとは「引き算」なのだとずっと思っていた。

眼鏡をどこに置いたか忘れる、昨日の夕飯に何を食べたのか忘れる、久しぶりに会った人の名前が思い出せない等の現象は今まで存在していた記憶の脱落、今まであったものからの欠落、つまり引き算。

 

しかし、ハハの場合は「足し算」が目立った。

 

家にハハの兄弟たちを招待した。午後お茶をして、みんなで夕食を食べに行こうという予定だったのだ。ムスメが一時国中にとハハが嬉しそうに計画したのだった。

兄弟たちが到着したところで、ハハはムスコはまだかと聞く。

 

ムスコは今日仕事でしょう?来ることになっていたなんて聞いてなかったよとムスメが言うと、ハハはムッとして、ムスメとムスコが家で会うと言ったから今日集まることにしたのにと言った。

 

きっと、ムスコにもこの場にいてほしかったのだろう。その思いが強すぎて、現実との区別がつかなくなったのか、ハハにとっての現実を作り上げたのか。自分の思いが積もっていき、それが「思い込み」「勘違い」を創造していくようになった。つまり、「足し算」。こんな思い込みや勘違いが増えてきた。

 

今まであったものが少なくなっていくのは心もとないが、今までにないものが増幅していくのは心穏やかでない。自分で作り上げた世界だけに留まっていられるならそれは幸せだと思うが、現実に裏切られ、その度に悲しい思いをするハハなのだ。