ハハのフェイクニュースの裏にあるファクト
ムスコがお金を盗んでいく、義理の姉が親切にしてくれなくて悔しかったというハハの思い込みにはハハの本音が隠されている。
自分を犠牲にして義理の両親と同居して介護、自分の両親は実家へ泊まって介護、子供のためを思って全力で子育てをしたのに、ムスコは泥棒に成り下がり、ムスメは親を捨ててアメリカへ行ってしまった。
私がこれだけ犠牲を払ったのに、誰も理解していないし感謝もしていない。私の時間を返してくれ。私に感謝しろ。私には見返りを受ける権利がある。
と、ハハは叫んでいる。
自分を犠牲にすることを強制された集合的女性の叫びでもあり、自分の人生を生きたかった一人の人間の叫びでもある。
認知症はこのハハの真実を変換、上書きすることをゆるさないのだ。