ハハの本音
ハハの様子は相変わらずである。
ムスコへの不信感、不満、不安しか話さない。
変化がないことは現状維持ということでもあるので、有難いことではある。庭仕事をした後だったりすると、機嫌の良い日もある。逆に雨が降っていれば、デイホームに行く気もしない程落ち込んでいる日もある。
だが、今朝は不安モードではなくて怒りモードのスイッチが入ってしまい、ムスコに対する怒りをムスメにぶちまけることとなった。
1人で寂しいのをこれだけ我慢しているのに、預金通帳もカードも取りあげるなんて、親にこんなことができるなんて許せない、延々と話し続けた。
そうか、ハハは寂しいのか、これが本音なのだとムスメは初めて分かった。
ムスメは1人でいるのが苦にならないのだ。だから理解できなかったのだが。申し訳ないことをした。だからと言って、ムスメにできることは電話するくらいしかないのだが。