ハハの帰宅案、再燃
ムスコはハハを自宅に戻すことを真剣に考え始めていた。
老人ホームへの強制入居には成功したものの、日々の電話メール攻撃は一向に止まず、ひどい時には5分おきに電話かメールが来る。
家に帰りたい、いつ迎えに来てくれるのか、母親をこんな所に入れといていいと思っているのかこの人殺し、と罵られていれば、さすがに凹んでくる。
一生恨まれても、ハハの安全を第一に考えれば、老人ホーム入居は唯一の解決策だったはずなのに、自宅にいても老人ホームにいてもハハは不幸なのだ。
それだったら、以前のようにデイホームに週6日通い、ヘルパーの回数を増やすとかすれば、一人暮らしもまだ可能ではないだろうか、と考えるようになった。