minnesotakkoの日記

国際遠距離介護の記録

ムスメの一時帰国8 ハハと台所

ハハはもう料理をしなくなった。鍋を黒焦げにした前科があるので、ムスコがガスを止めて久しい。

 

主人を失った台所は薄汚れていた。食材は期限切れのものが散財している。丸大豆醤油になたね油、オリーブオイルにケチャップ、めんつゆに酢など生協の宅配でありとあらゆる食材を注文していた頃の遺産だ。

目に見えるところは掃除した形成はあるが、棚の埃はたまり放題、最後に掃除をしたのはムスメが半年前に帰国していた時だと思われた。しかも小さなが蛾が飛んでいた。

 

ムスメは病み上がりである。外出する元気はないが、1日中寝ているほどでもない。台所の掃除をすることにした。

棚はメチャクチャだった。使われなくなったレシピ本は埃だらけ、スーパーのレジ袋、マイバッグ、古新聞、エプロン、軍手、タオル類がゴチャゴチャになっている。

そこでムスメが対峙したのは、タオルにびっしりとついた虫だった。どうやら小さな蛾の幼虫らしい(ググってみたら繊維を食べるイガとかコイガとからしい)。ゾーッとしてタオルは処分した。バルサンをした。死んだのはゴキブリのみで、バルサンを焚いた後でも蛾はヒラヒラと飛んでいるし、幼虫も床を這っている。

 

あれだけ料理にこだわっていたのに、あれだけ食べることが好きだったのに、あれは義務感と責任感だったのだろうか?

 

主人を失った台所は虫に食われてしまうのだろうか。