minnesotakkoの日記

国際遠距離介護の記録

ムスメの独り言

ムスメとピアノ

minnesotakko.hatenablog.com 音大ピアノ出身のハハのもとに生まれたムスメには4歳からスパルタ教育が待っていた。ハハの果たせなかったコンサートピアニストへの夢がムスメに託されたのだった。 その厳しさは3歳年下の弟を夜驚にさせたほど、厳しかった。…

伊藤比呂美さんのインタビュー②

伊藤先生のインタビューを聴いて、ふつふつと思っていたのが、「その人が正義になる」という言葉でした。 ああ、だから私はハハと距離を置きたいのだ、と腑に落ちました。 ハハが正義だからです。ハハは義理の両親を送った後、自分の両親と夫を介護したので…

伊藤比呂美さんのインタビュー

NHKラジオで伊藤比呂美さんのインタビューを聴きました。 こちらで16日まで聴けます。 私は伊藤先生の大フアンで、人生の先輩として尊敬してフォローしています。 去年帰国時には、講演会に行っちゃいました。 私には弟が日本にいるけれど、伊藤先生は一人っ…

ハハと電話がつながらなくても

スカイプ経由ハハには電話しているのだが、接続が不安定なことがある。 途中で断線したりすることは、まあよくあることだ。 ハハが電話に出ないこともあるし、電源が入っていないですよメッセージが流れることもある。 それでも、毎朝デイホームのスタッフの…

ハハのフェイクニュースの裏にあるファクト

ムスコがお金を盗んでいく、義理の姉が親切にしてくれなくて悔しかったというハハの思い込みにはハハの本音が隠されている。 自分を犠牲にして義理の両親と同居して介護、自分の両親は実家へ泊まって介護、子供のためを思って全力で子育てをしたのに、ムスコ…

ハハとムスメ

ハハが友人達と会いたくないと言い張った理由の一つが、いつも私ばっかりに負担が押し付けられているという思いがある。 自宅を訪ねてくる場合には、場所を提供するのも、ご飯の支度をするのも、お茶とお茶菓子の用意をするのも、後片付けをするのも、全部私…

ナウシカの腐海が親の家に出現する日

business.nikkei.com という記事が日経ビジネスオンラインにあり、どこの家も同じなんだとわかって安心した。夏に虫がわいた台所は今どうなっているのだろう。

弟のことが分からない⓷

ハハは相変わらず老人ホームに適応できない。 弟はハハを自宅に戻そうとしている。 私は反対だが、主たる介護者は弟なのだ。ここは妥協しよう。だが、条件を提示した。 ⒈以前通っていたデイホームに戻れるようにすること ⒉夕飯の手配をすること ⒊壊れている…

ムスメよ、自分の人生を生きよ

タイトル通りだったら、格好が付くけれど、現実はほど遠い。 だが、このようなことをハハから言われた。 私はもう老人ホームに厄介払いされるような必要のない人間なのだから、私のことは心配せずに自分の人生を生きなさいと。 母親が若いうちにきちんと対決…

ハハと友達

ハハは相変わらずである。 老人ホームにいると分かっていない時は旅行に来ていて明日家に帰れると思っているので、機嫌がいい。 一方、老人ホームにいると分かっている時は、子供に捨てられたと思い、落ち込んでいるか怒っているかのどちらかである。 だが、…

ムスメ、カウンセリングを受ける

泣いてばかりいたが、これではダメだと思えるようになった。 最大の敵は罪悪感なんだと分かった。 自分で選択してアメリカにいる、自分のやりたいことを追求するために、自分が快適だと思える生活を送るために、自分で選んで日本を離れた。その結果、ハハは…

弟のことが分からない②

弟はハハを老人ホームに入居させたいものだとばかり思っていた。(前回はこちらから読めます) 口汚く言ってしまえば、もう厄介払いしたいのだと思っていた。 要介護3になったハハを弟は特別養護老人ホームに入居させたがっていたからだ。 都内で特養の空き…

弟のことが分からない①

私は弟がハハを施設に入居させたいのだと理解していた。 忙しい仕事をこなしながら、朝晩時間構わずかかってくるハハからの電話にでて、ハハがすぐに紛失する銀行通帳とカードを再発行し、定期購読のサプリメントを解約し、デイホームのスタッフと打ち合わせ…

ムスメの本音

ハハが老人ホームに滞在して1週間になる。 ハハ、弟、施設長さんと話しをしながら、ブログを書きながら、実は泣いてばかりいる。何でこんなに涙が出るのか自分でも分からない。 弟がハハをようやっと施設に連れて行った日には、それこそ子供のように声をあ…

サマータイム終了で思ったこと

アメリカではサマータイムが終わりました。日本との時差が15時間になります。 2020年の東京オリンピックでサマータイム導入が検討されていたようですが、取りやめになったそうですね。本当によかったと思います。 アメリカでも約束の時間を間違っちゃったと…

やっぱり人なんだな ハハと旅行

ハハを支配しているのは、お金に対する執着とムスコの不満と書いた。 どこに泊まったのか、何泊したのか全く覚えていなくても、〇〇さんは元気だった?とか◯△さんには会えた?とムスメが聞けば、元気だったとか会えて嬉しかったと言っていた。 ハハの求めて…

ハハの旅行

ハハが旅行に行く。出身地ではないが高校生時代を過ごした島根県に友人に会いに行くのだ。 ハハにとって島根は特別な場所で、友人とも頻繁に連絡を取り合っており、同窓会は定期的に行われているし、東京在住組でも定期的に会うほど仲良しなのだ。 まだチチ…

ハハの認知症の認知度は案外低い

チチが亡くなり手続きを進めるにあたり、気が付いたことがある。 ハハが認知症だということが認知されないのだ。 ムスコやムスメにとっては、ハハの言っていることは滅茶苦茶である。事実とは遠くかけ離れた事を平気で言うからだ。亡くなる1週間前には立っ…

ムスメの一時帰国13 ハハの自立

友人の友人でモンテッソーリ教育を認知症の高齢者に取り入れている人に会った。元々は幼児教育が専門だったが、義母の認知症をきっかけに研修を受けたそうだ。 モンテッソーリ教育の真髄は「子供の自発性」を重要視することにあり、認知症の高齢者にとっても…

ムスメの一時帰国11 セルフレジに戸惑う

東京は半年ぶりだったムスメが、今回戸惑ったのはセルフレジなるものだった。 スーパーで買い物をして現金で払おうとすると、「〇〇番に飛ばしますね」と言われた。飛ばしますね、と言われても何の事やら晴天の霹靂である。何をどう飛ばすのかと思ったら、会…

ハハと災害

大阪で地震がありましたね。 こちらでは報道されていなかったので、ネットで後から知りました。 東北大震災の時のことを思い出していました。 私は都内で仕事をしていました。電話が通じなかったので、仕事を片付けて実家に行ったら、ハハは大量のお米を炊い…

ニューメキシコ州の修道院にて

ニューメキシコ州にある修道院に宿泊してきた。50人を超える修道士がカトリック信仰を基に共同生活を送っているのだそうだ。 20歳台から高齢者は80歳台の男性が伝統的な規律に従って生活しているのを一部だが観察、体験してきた。高齢の修道士は杖をついてい…

自分の老後は?③ 自分のニーズをはっきりさせる

これははっきり言って自信がない。 自分に何が必要なのかよく分かっていないからだ。何が食べたいのかと聞かれても困る事がよくある。 ハハがヘルパーを嫌がったのは、何をしてもらいたいか分からないのに他人が家に入ってくることだったのではないかと今で…

ハハと家族 ムスメの気持ち

ハハはよく「家族なんだから」と言う。 ハハがそれをどんな意味で使っているのか確認した事はないが、私には「家族なんだから自分の事は犠牲にしても親に尽くすべき」と解釈していた。 「家族なんだから」お嫁さんがもっと家事や介護を手伝うのが当然、お嫁…

ムスメの一時帰国 番外編

一時帰国した初日、トイレを使ったら何やら聞き覚えのないボコボコいう音が聞こえた。ちゃんと流れたので気にしていなかったが、次の日にはトイレの水が溢れ出るという事態に発展した。 近所に馴染みの水道屋がいないので、冷蔵庫に貼ってある宣伝用のマグネ…

自分の老後は?② まずは物を減らす

ハハの物は多すぎる。 元々買い物好きだったし、認知症になってからは通信販売で色々な物を買うことが増えた。値打ちものはない。売れても二束三文にしかならないものばかりだ。 洋服ダンスの引き出しを開ければ、黒のタートルネックのセーターだけでも何枚…

心の支えの三部作

ハハがデイホームに週6日通うようになって、電話で話せる日が減ってしまった。 時差は15時間、中途半端に夜型の私には日本の夜に電話する(アメリカの朝)ことができないのだ。 日本の日曜日に電話をするのだが、家にいないことも多く、携帯に電話しても移…

それをハハの妄想だと呼ぶのをやめることにした

ハハに入院中のチチの様子を尋ねた。 「私が行くとね、立ちあがってニコニコするのよ」と言う。これで2度目だ。(1度目のことはハハの妄想 に書いた。 この先、こういうことも増えるのかもしれない。元々、感情や思いの丈の激しいタイプである。今まで何と…

人は他人を完全に理解することなどできない

日経ビジネスオンラインで読みました。 business.nikkeibp.co.jp 人は他人を完全に理解することなどできない、という箇所があって妙に納得してしまいました。そう、人は他人を完全に理解することができないのです。人は家族を完全に理解することはできないの…

なぜムスメがハハの味方になれないのか?

前回の記事でお嫁さんが(ムスメの義理の妹)傷つかなければいいと書いた。 これは正直な気持ちだ。 だが、なぜムスメの私がハハの一番の理解者、味方になれないのだろうかと投稿した後で思いついたのだ。 だが、私がハハの味方になれば、当然お嫁さんを批判…